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>>Penguinlandの作曲講座>>第3回:「パクリ」かたを「パク」れ!? |
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Penguinlandの作曲講座 第3回:「パクリ」かたを「パク」れ!? | |||||
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前回は「パクリ」ましょうと締めましたが、 「パクリましょう」って言ったってなぁ・・・と思考停止してしまう人もいるかもしれませんね。 また、「パク」ってみたもののいい曲になりそうにない、という人もいるかもしれません。 作曲を練習するために「パク」るわけですが、 その「パクリ」も実は練習するとうまくなります。 では「パクリ」を練習するには何をしましょうか・・・。 色々方法はあるでしょうが、「パクリ」かたを「パク」ってしまうというのはどうでしょう? どうせ「パク」るんですから徹底的に(!?)やりましょう。 この世には「パクリ」の曲がそりゃもうたくさんあります。 まず、日本国民として非常に残念なことながら、 特に日本のロック&ポップス界は洋楽のパクリで満ち溢れています。 中には「訴えるべきでしょ」と思えるレベルのものもあります。 また、同じ洋楽の中でも「パクリ」がわかりやすくて訴えられた例はほんの氷山の一角。 訴えられるギリギリの曲だってかなり存在します。 そういう曲を見つけたら、どこがどう似ているかをチェックしてみましょう。 その中には偶然似たようなフレーズになったというものもあるでしょうが、 どこが似ているかをチェックすることで、「パクリ」かたがわかってくると思います。 「パクリ」の曲を知らないというのであれば、 「パクリの曲」「似ている曲」などのキーワードで検索してみましょう。 提案するからには、と私自身も検索してみたら・・・、 最近ではプロモーションビデオや衣装も「パク」るんですね。 さすがに「パクリ」のプロは違いますね(苦笑)。 「パクリ」の言葉が多く並びいかがわしくなってきたので、少しえりを正しましょう。 中には「やっぱりパクるなんてできない」という真面目な方もいらっしゃるでしょうし、 「パクってもオリジナルのいい曲ができない」という人もいるかと思います。 「パクリバンド」とか「パクリ作曲家」と言われないためにも、前に進みましょう。 まずは、誰でも知っているであろう曲を二つ。 ・ベートーベンの「運命」(交響曲第5番 第1楽章) イントロは超有名ですね。(試聴) ・メンデルスゾーンの「結婚行進曲」(真夏の夜の夢より) 結婚式のときに(おそらく)誰でも聞くアレです。(試聴−4曲目) この2曲のイントロをちょっと歌ってみましょう。 ここでも試しに言葉で書いてみましょう。 「運命」は「ダダダダーン」 「結婚行進曲」は「パパパパーン」 あら?(いささか、わざとらしいですね(^^;) 「運命」は1808年作曲で「結婚行進曲」は1842年作曲。 「結婚行進曲」のイントロは「運命」のパクリだったのか! って、まぁそういう考え方もあるかもしれませんが、 あまりに違うこれらの曲を「パクリ」と考える人はほとんどいないでしょう。 しかしながら、実のところメンデルスゾーンという作曲家は、 彼の時代には埋もれつつあったバッハやベートーベンの価値を掘り起こし、 自ら演奏(指揮)することで再びその価値を世に知らしめたことでも有名です。 ですから、「パクリ」かもと考えるのはあながち的外れでもないのです。 しかしながら、聴衆に「パクリ」と認識さえさせないのは、 「パク」った部分がアレンジされ、曲全体があまりに違う雰囲気になり、 さらに「結婚行進曲」自体が素晴らしい曲に昇華されているからでしょう。 ここでもう一曲。 ・マーラーの交響曲第5番 第1楽章 この曲は第4楽章が有名ですが今回は第1楽章です。(試聴−1曲目) この曲も出だしは「パパパパーン」ですね。 マーラーはベートーベンに強く影響を受けた作曲家である上、 この曲は「運命」と同じ5番目の交響曲ということもあって、 かなり意識して作曲したといわれてますので、 このイントロは「運命」の「パクリ」(模倣)だというのは公然のことです。 (運命より結婚行進曲の方がよく似ていますが・・・) ですが、この曲はマーラーの代表作であり「パクリ」と揶揄する人などいません。 それは、この曲の芸術性が「運命」に負けない完成度を誇り、 聴衆を満足させる説得力をもっているからに他なりません。 我々が学ぶべきは、このような偉人の「パクリ」かたであって、 最近のロック&ポップスで蔓延している安易な「パクリ」ではありません。 話が少しカタくなってしまったので、少し戻しましょう。 「パクリ」かたを学ぶとき、他人の「パクリ」を探すより効率のいい方法があります。 それは「パクリ」ながらも公言しているがゆえ「パクリ」ではないモノ・・・、 つまり「引用」や「カバー」です。 「引用」は、一部のフレーズをそのまま借用して自分の曲に組み込むことです。 誰でも知っているメロディをそのまま使うのも「引用」ですし、 ラップなどで過去の曲のフレーズを繰り返し使うのも「引用」です。 これらを聴くとメロディやフレーズのはめ方が参考になることが多いと思います。 「カバー」は、ご存知のように過去の曲を自分流にアレンジすることですね。 こちらは、原曲とカバー曲を聴き比べてみましょう。 楽器、メロディ、リズム、コード、曲構成などの変化に注意して、 どこがどう変わっているかをチェックしてみてください。 「パク」ったものをどう変化させたらいいかの参考になると思います。 また、「フレーズの変化のさせ方」という側面で見たとき、 スタジオ録音版とライブ版を比べてみるのも一つの手です。 全く同じように演奏するケースもありますが、 中にはアレンジして演奏する場合もあります。 一時期はやった「アンプラグド」のアレンジも、 聴き方によっては大いに参考になるはずです。 「引用」や「カバー」を聴いて参考にしたら、自分でもやってみましょう。 特に「コピー」はできるけど作曲ができない、という人にはおススメです。 自分が「コピー」した曲に一工夫いれて「カバー」するわけです。 人によっては、作曲よりも「カバー」の方が始めやすいかもしれませんね。 何度か繰り返せば、メロディやアレンジの変化のつけ方になれてきますから、 「パクリ」の技術も身につくというものです。 ただし、公に発表することを前提に「カバー」する場合は、 オリジナル曲を発表するよりも音楽能力が問われることに注意しましょう。 比べるモノがあるということは、良し悪しがあからさまになるということですから。 【今回のまとめ】 ・ 偉人の「パクリ」かたを「パク」る ・ 過去の「引用」や「カバー」を参考にする ・ 自分でもカバーしてみる 当作曲講座の講師、Penguinland さんのブログを楽しもう!
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